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た側も別段恩義を感じな


 育てられてた側も別段恩義を感じない。時には訓練で死者も出たが、傭兵になるかならないかは強制ではなかったし、一定の稼ぎを差し出せば独立もできた。
(俺はどうなのだろう名創優品miniso?)
 アスクはふと思う。傭兵になりたかったのか、と問われれば、即座に違うと答えていただろう。
(俺の望みは、こうした謂《い》われのない貶《おとし》めを受けなくなることだ)
 アスクの怒りは決してニルド個人に向けられたものではなかったが、相手はそう受け取らない。
「何だ、その面《つら》は名創優品miniso!」
 肩を小突かれ、アスクはよろける。
「俺だって戦《いくさ》に出りゃ、てめえなんぞに負けはしないんだ!」
 ニルドは族長バルドゥルの部隊に配属されている。取り巻き連もみな同じだ。族長は〈サイガ党〉の名を高めた最大の功労者なのだが、四年前の負け戦で受けた傷の後遺症でしばしば寝込むようになった。お陰で部隊の出動回数が大幅に減った。
「証明する機会だったら、これまで何度かあったと思うけど」
 その言葉にニルドは逆上する。アスクよりひとつ年長なだけに戦場に出たのも早いが、これまで敵の操兵を仕留めたことはな名創優品minisoかった。それだけにアスクの殊勲《しゅくん》が妬《ねた》ましかったに違いない。
「——よしなさいよ!」
 女の声がニルドの振りあげた拳《こぶし》を止めさせる。
「ユリイカ?」
 彼女の顔を見るなり、アスクは心臓に大きな高鳴りを覚えた。
 ニルドはうんざりした顔で名創優品山寨
「またかよ。男同士の話に女が口を挟むな」
「喧嘩《けんか》なら放っておくわ。だけど徒党を組んでひとりを襲うなんて恥ずかしくないの」
「こいつらは見物にきているだけだ。やる時はサシに決まっているだろう」
 ニルドは里者の中でも大柄なほうだ。腕っぷしにも自信があった。
「そういうことなら……受けてもいいぞ」
 口にしたアスク自身が驚いていた。戦場帰りでいささか気が大きくなっていたのかもしれない。
「てめえ、女の前だと思って格好つけているな!」
 そうかも、とアスクは思った。確かにユリイカの視線を意識している自分がいる。
「大口叩きやがって。一度だって俺さまに勝てなかったクセに」
「一方的に痛めつけられた覚えはあるが、こっちから手を出したことがあったか?」
 いきなりニルドが殴りかかる。
 卑怯《ひきょう》な振る舞いをすると知っていただけに、アスクには不意打ちにならない。
 躱《かわ》しながら、裏拳でニルドの鼻を叩く。
「お、おお……っ!?」
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